Q & A集(一般の方向け)
バイオシミラー(バイオ後続品)に対し、一般の方々が抱く様々な疑問とその回答を掲載しております。
- Q1 バイオ医薬品ってなに?
- Q2 なぜバイオ医薬品は高いの?
- Q3 バイオシミラー(バイオ後続品)ってなに?
- Q4 先行バイオ医薬品と同等/同質ってどういう意味?
- Q5 バイオシミラー(バイオ後続品)と先行バイオ医薬品は全く同じではないので、有効性・安全性が異なるのでは?
- Q6 バイオシミラー(バイオ後続品)は海外で製造されており、品質に懸念があるのでは?
- Q7 バイオシミラー(バイオ後続品)の製造・品質管理は十分に行われているの?
- Q8 バイオシミラー(バイオ後続品)は製薬会社によって品質のバラつきがあるのでは?
- Q9 バイオシミラー(バイオ後続品)って安全なの?
- Q10 バイオシミラー(バイオ後続品)を使うメリットは?
- Q11 バイオシミラー(バイオ後続品)はなぜ先行バイオ医薬品に比べて低価格なの?
- Q12 先行バイオ医薬品をバイオシミラー(バイオ後続品)に替えてもらうにはどうしたらいいの?
- Q13 患者にとっての節約効果ってどのくらい?
- Q14 バイオシミラー(バイオ後続品)を使っているのは世界中で日本だけ?
- Q15 ジェネリック医薬品とバイオシミラー(バイオ後続品)はなにが違うの?
- Q16 日本で使われているバイオシミラー(バイオ後続品)にはどんなお薬があるの?
- Q17 バイオシミラー(バイオ後続品)に期待されていることは?
Q1
バイオ医薬品ってなに?
A1
バイオ医薬品とは遺伝子組換え技術や細胞培養技術を用いて製造した、タンパク質を有効成分とする医薬品です。医療の技術は日々進歩し、新しい治療法や治療薬が開発されています。がんやクローン病、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、乾癬、低身長症、糖尿病、腎性貧血、骨粗しょう症などの病気では「バイオ医薬品」と呼ばれる生物の力で作られた医薬品が開発され使用できるようになったことにより、治療の効果が飛躍的に改善しました。
Q2
なぜバイオ医薬品は高いの?
A2
新しい薬剤の開発や製造には最新のバイオテクノロジーを使うことが多く、特に「バイオ医薬品」はヒトや動物、微生物などの生きた細胞が作り出すタンパク質であるため、化学合成された薬剤に比べ開発や製造、管理がとても複雑で費用がかかるからです。
Q3
バイオシミラー(バイオ後続品)ってなに?
A3
バイオシミラー(バイオ後続品)は既に発売されている先行バイオ医薬品の特許が切れた後に、先行バイオ医薬品を販売している製薬会社以外から発売される医薬品です。一般的な医薬品の後発品がジェネリック医薬品、バイオ医薬品の後続品がバイオシミラー(バイオ後続品)です。バイオシミラー(バイオ後続品)を開発するための基準は厚生労働省が厳格に定めています1)。バイオシミラー(バイオ後続品)もバイオ医薬品なので、最新のバイオテクノロジーを駆使して製造され、先行バイオ医薬品と品質、効果、安全性が同等/同質であることが確認されています。
参考資料:1) バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針 薬生薬審発0204第1号(令和2年2月4日)
参考資料:1) バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針 薬生薬審発0204第1号(令和2年2月4日)
Q4
先行バイオ医薬品と同等/同質ってどういう意味?
A4
先行バイオ医薬品、バイオシミラー(バイオ後続品)問わず、すべてのバイオ医薬品は、生きた細胞が作る医薬品であるため、製造ロットの違いなどで僅かな違いが生じることがあります。その僅かな違いがあったとしても、実際の患者さんに使用したとき、その効果や安全性に影響を与えないと判断されているということです。
Q5
バイオシミラー(バイオ後続品)と先行バイオ医薬品は全く同じではないので、有効性・安全性が異なるのでは?
A5
化学合成で製造される医薬品と異なり、バイオ医薬品は微生物や細胞の中で起こる生合成反応を製造に利用しているため、製造ロット間で物理的化学的性質・生物学的性質にばらつきが生じ、品質特性にごくわずかな違いが生まれています。これは先行バイオ医薬品もバイオシミラー(バイオ後続品)にも同様のことが言えます。ここで重要な点は、これらのばらつきはバイオ医薬品としての許容範囲内にあるということであり、有効性・安全性への影響を及ぼすものではないと判断されています。
有効性・安全性に問題がないことは客観的に判断される必要があるため、バイオシミラー(バイオ後続品)を開発するための基準は厚生労働省が厳格に定めています1)。製薬会社はその基準に従って、バイオシミラー(バイオ後続品)の化学的な性質や物質の構造、品質、薬としての作用などが先行バイオ医薬品と同等で同質であることを確認し、さらに臨床試験を行って、有効性や安全性に違いがないことを確認します。バイオシミラー(バイオ後続品)はこれらの試験結果を基に厳格な審査が行われ、厚生労働省の承認を得た後に販売されます。製造に関する基準を満たし、厳格な審査に基づいて承認されたバイオシミラー(バイオ後続品)は、先行バイオ医薬品と有効性・安全性が異なるものではありません。
参考資料:1) バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針 薬生薬審発0204第1号(令和2年2月4日)
有効性・安全性に問題がないことは客観的に判断される必要があるため、バイオシミラー(バイオ後続品)を開発するための基準は厚生労働省が厳格に定めています1)。製薬会社はその基準に従って、バイオシミラー(バイオ後続品)の化学的な性質や物質の構造、品質、薬としての作用などが先行バイオ医薬品と同等で同質であることを確認し、さらに臨床試験を行って、有効性や安全性に違いがないことを確認します。バイオシミラー(バイオ後続品)はこれらの試験結果を基に厳格な審査が行われ、厚生労働省の承認を得た後に販売されます。製造に関する基準を満たし、厳格な審査に基づいて承認されたバイオシミラー(バイオ後続品)は、先行バイオ医薬品と有効性・安全性が異なるものではありません。
参考資料:1) バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針 薬生薬審発0204第1号(令和2年2月4日)
Q6
バイオシミラー(バイオ後続品)は海外で製造されており、品質に懸念があるのでは?
A6
バイオシミラー(バイオ後続品)の品質は、厚生労働省により先行バイオ医薬品と同様の有効性・安全性が確保されることが求められており、製造工程についても評価・審査されています。たとえ海外で製造されたものであっても、日本の品質基準を満たしているため、品質に懸念はありません。
Q7
バイオシミラー(バイオ後続品)の製造・品質管理は十分に行われているの?
A7
先行バイオ医薬品、バイオシミラー(バイオ後続品)問わずすべての医薬品は、GMP(「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準」)に適合した工場でのみ製造が許可されており、厳格な製造及び品質管理のもと製造されています。
Q8
バイオシミラー(バイオ後続品)は製薬会社によって品質のバラつきがあるのでは?
A8
すべてのバイオシミラー(バイオ後続品)は厚生労働省が定めた基準に従って、先行バイオ医薬品との様々な比較試験により品質が同等/同質であることが確認されています。製薬会社ごとに品質や有効性・安全性に差があるものではありません。
Q9
バイオシミラー(バイオ後続品)って安全なの?
A9
バイオシミラー(バイオ後続品)は開発段階において、化学的な性質や物質の構造、品質、薬としての作用など様々な観点で先行バイオ医薬品と同等で同質であることを確認します。さらに、臨床試験を行い、健常人や実際の患者さんに使用したとき、その効果や安全性に違いがないことを確認しています。製造販売後においても、副作用の発現状況や効果の調査が適正に行われます。
Q10
バイオシミラー(バイオ後続品)を使うメリットは?
A10
がんや自己免疫疾患をはじめとした疾患ではバイオ医薬品が開発され使用できるようになったことにより、従来の医薬品と比べ治療の効果が飛躍的に改善しました。バイオシミラー(バイオ後続品)は先行バイオ医薬品よりも安価であり、患者さんの経済的負担を軽減できることが考えられるため、これまで薬剤費が高くてバイオ医薬品の治療を始められなかった患者さんの新たな選択肢になるかもしれません。さらにバイオシミラー(バイオ後続品)により薬剤費が下がることで国民全体の医療費の低減にもつながります。日本が世界に誇る医療保険制度が充実した国である一方、医療費が財政を圧迫していることも事実です。この素晴らしい医療保険制度をこれからも維持していくために、バイオシミラー(バイオ後続品)の活用が注目されています。
Q11
バイオシミラー(バイオ後続品)はなぜ先行バイオ医薬品に比べて低価格なの?
A11
バイオシミラー(バイオ後続品)は先行バイオ医薬品と比べて、研究開発に要する期間や費用が少なくてすむため低価格になっています。ただし、先行バイオ医薬品と物理的化学的また薬理学的に同等/同質であることを確認した後、臨床試験を行ってその効果や安全性に違いがないことを確認する必要があり、製造・管理にも費用がかかるため、ジェネリック医薬品よりは高い価格が設定されています。
Q12
先行バイオ医薬品をバイオシミラー(バイオ後続品)に替えてもらうにはどうしたらいいの?
A12
バイオシミラー(バイオ後続品)は全国の病院・診療所で処方され、保険薬局で調剤してもらえます。かかりつけの医師にバイオシミラー(バイオ後続品)を希望していることをお伝えください。
Q13
患者にとっての節約効果ってどのくらい?
A13
先行バイオ医薬品の多くは高額なため、バイオシミラー(バイオ後続品)に替えた場合の節約効果は大きい場合があります。ただし、患者さんの負担額には上限が設けられていることもあり、先行バイオ医薬品からバイオシミラー(バイオ後続品)に切り替えても実質的な負担が変わらないケースもありますので、不明な点があれば受診先の医師、薬剤師、看護師にご相談ください。
Q14
バイオシミラー(バイオ後続品)を使っているのは世界中で日本だけ?
A14
バイオシミラー(バイオ後続品)は、欧州で初めて承認されました。欧州ではガイドラインの整備進んでいるため普及も進んでいます。欧州での普及が進んだ後、世界各国でも普及することとなり、現在では日欧米だけでなく世界100か国以上で使用されています。
Q15
ジェネリック医薬品とバイオシミラー(バイオ後続品)はなにが違うの?
A15
ジェネリック医薬品とバイオシミラー(バイオ後続品)は、両方とも「すでに発売されている医薬品の特許期間が終了した後に発売される」という点では共通しています。
その大きな違いは有効成分とその製造方法です。ジェネリック医薬品の有効成分は低分子化合物であり、主に化学合成で作られます。バイオシミラー(バイオ後続品)は遺伝子組換え技術や細胞培養技術を用いて作られており、タンパク質を有効成分とする医薬品です。
その大きな違いは有効成分とその製造方法です。ジェネリック医薬品の有効成分は低分子化合物であり、主に化学合成で作られます。バイオシミラー(バイオ後続品)は遺伝子組換え技術や細胞培養技術を用いて作られており、タンパク質を有効成分とする医薬品です。
Q16
日本で使われているバイオシミラー(バイオ後続品)にはどんなお薬があるの?
A16
日本で現在発売されているバイオシミラー(バイオ後続品)は、以下のような病気の治療に用いられています。これらのバイオシミラー(バイオ後続品)は、欧米を中心とした海外でも使用されています。
バイオシミラー(バイオ後続品)が使われる主な病気
・がん(乳がん、胃がん、肺がん、大腸がん、血液がんなど) ・クローン病 ・潰瘍性大腸炎 ・関節リウマチ ・乾癬 ・低身長症 ・糖尿病 ・腎性貧血 ・骨粗しょう症 ・ファブリー病 ・好中球減少症
バイオシミラー(バイオ後続品)が使われる主な病気
・がん(乳がん、胃がん、肺がん、大腸がん、血液がんなど) ・クローン病 ・潰瘍性大腸炎 ・関節リウマチ ・乾癬 ・低身長症 ・糖尿病 ・腎性貧血 ・骨粗しょう症 ・ファブリー病 ・好中球減少症
Q17
バイオシミラー(バイオ後続品)に期待されていることは?
A17
バイオシミラー(バイオ後続品)はバイオ医薬品であり、大きな治療効果が期待できます。またバイオシミラー(バイオ後続品)は先行バイオ医薬品よりも安価であり、新たにバイオ医薬品を使いたい患者さんにとってはバイオシミラー(バイオ後続品)を選択することで、経済的負担を軽減できると考えられます。こういったことから、これまで薬剤費が高くてバイオ医薬品の治療を始められなかった患者さんの新たな選択肢になるかもしれません。
さらに現在の日本では国民医療費の増加が問題となっています。国民医療費の増加にはさまざまな原因がありますが、そのひとつにバイオ医薬品の高額な薬剤費が挙げられています。バイオシミラー(バイオ後続品)の選択は、国民医療費削減の一歩につながり、さらには社会福祉の充実などに寄与することも期待されています。
さらに現在の日本では国民医療費の増加が問題となっています。国民医療費の増加にはさまざまな原因がありますが、そのひとつにバイオ医薬品の高額な薬剤費が挙げられています。バイオシミラー(バイオ後続品)の選択は、国民医療費削減の一歩につながり、さらには社会福祉の充実などに寄与することも期待されています。