理事長挨拶

バイオシミラーの課題

 バイオ医薬品は、20世紀後半に開発されて以来、癌や血液疾患、自己免疫疾患等多くの難治性疾患に卓抜した治療効果を示し、また一般にベネフィット・リスク評価が高いと言われています。しかしその一方で、しばしば高額となる薬剤費用が、患者の経済的負担や社会保障費の増大に繋がると指摘されています。
 こうした中、バイオシミラーの普及は、拡大する医療費の抑制に貢献するとともに、経済的な理由でバイオ医薬品による治療を躊躇されている患者に対する治療アクセスの改善を約束します。
 しかしながら、バイオシミラーに関する一般の認知度は未だ低いため、医療関係者だけでなく、より広いステークホルダーに対して情報を周知することが必要と考えられます。またバイオシミラーは品質、安全性および有効性については、先行バイオ医薬品との比較から得られた同等性/同質性を示すデータ等により担保されますが、これらの評価には科学の進歩や知見の蓄積に基づく適切かつ効率的な開発手法と最新の評価法が適用されるべきと考えます。同時に、バイオシミラーと先行バイオ医薬品の効能・効果の違いや、先行バイオ医薬品からの切り替え使用に関して、運用や理解が不透明・不十分な点もあり、バイオシミラー使用促進に向けて従来の枠組みを超えた取り組みが為されるべきと考えます。


バイオシミラー協議会の役割

 課題解決に向け、体系的かつ全てのステークホルダーによる取り組みが喫緊の課題と考えられます。バイオシミラー協議会は業界団体としてではなく、アカデミア、行政関係の方々にもご参加頂き、公正な立場から、患者および医療の第一線の方々に対する適正な情報の提供や理解浸透の促進に貢献してまいります。
 また、バイオシミラーの効率的な開発、最新の評価法に関する情報発信を進めていきます。こうした技術や情報の蓄積は、日本発のバイオ医薬品を世界に届ける礎にもなると考えています。
 当協議会は患者と社会がバイオシミラーによる治療と利益を容易に享受できるよう、バイオシミラーの開発あるいは規制等をめぐる課題の共有及び解決案の策定、さらには国際協調について、産官学の関係者の皆様による情報交換及び討論の場を設けてまいります。
 皆様のご理解、ご賛同とご支援をお願い申しあげます。

2017年3月1日

バイオシミラー協議会理事長 黒川達夫